むーまの まったり英語ブログ

ポケモンの英語名とかいろいろ。

東京オリンピック事前合宿レポ⑤【南アフリカ出張マッサージ編】

 2週目の日曜日、練習は休み。南アフリカの選手がマッサージを受けたいとのことだったので、市役所職員のKさんが行きつけの整体院に依頼し、宿に出張マッサージに来てもらうことに。Kさん曰く「けっこうすごい人だから急には無理かと思ったけど、たまたま空いてて来てもらえた」とのこと。

 南アフリカの宿舎に行くと小柄なじいちゃんがいた。この人がそのマッサージ師(整体師?)らしい。一緒に2階に上がり、選手の部屋でマッサージするのを横から通訳することに。部屋に行ってみたらその選手はあのローレンスさんだったので、話しやすそうで安心した。

 というかその部屋、六畳間ぐらいの畳張りに年代不詳のブラウン管テレビと、申し訳程度に一応ベッドが置いてあるという昭和の苦学生の部屋みたいな感じで、そこに例のネスカフェコーヒーメーカーやらポテチやら筋トレグッズやらが雑に置きちらかしてあったので笑ってしまった。特にベッドは明らかに小さそうだったので神経質な選手だったら無理だろなと思ったけど、南アフリカさんはあんま気にしてない様子だった。

 じいちゃんがローレンスさんのベッドに謎の扇風機を勝手に置いて「これね、コロナ対策で持って来たんや」←謎)、畳に敷いた布団でマッサージ開始。

 

「あんた、どこの国から来たんや」

「今日はこの後もいろいろあるんやけど、たまたま時間あったもんでね」

「○○にもマッサージする人おるけど、あれ私の弟子や」

「私ね、癌になったけど、もずく食べとったら治ったんや」

 

・・・と、じいちゃんとにかくしゃべるしゃべる誰に向かって言っているのかがもはや不明だしついていけなかったので、とりあえずローレンスさんに言ってることは頑張って訳すことにした。だいぶ序盤にローレンスさんが「彼、何て言ってるの?」と聞いてきたけど、「自分の話と患者さんの話をずっとしておられます」と答えたら「あ、そうなんだ~」ってなってその後は何も聞かれなかった笑(というか私がちゃんと全部訳せたらよかったんだけど、力不足で反省)

 

じいちゃん「あんたどこの人?東京から来たんか?」

私「私は小矢部(富山)で、地元に住んでますよ」

じいちゃん「えー、小矢部にこんな人おるんか、すごいなあ」

とかいう私とのやりとりがまあまあある中、

 

じいちゃん「私ね、この五箇山で生まれたんや」

ローレンス「あの世界遺産の家に住んでたの?」

じいちゃん「そうや、昔はね。今は違うけど」

 

じいちゃん「体が片方に傾いとる。ベッドが小さいからじゃないんか?」

ローレンス「僕はオールを右側に出して漕いでいるから、どうしても傾いてるんだよ。だからベッドのせいではないよ」

 

みたいな会話も成立してた。シャツを脱がせたり体勢を変えたりの指示もさすがにできたので特に問題なく進んだ。しかし背中のマッサージしつつ「この前ね、私んとこずっと来とる90ぐらいのばあちゃんはね、背中のここや、ここがひどかった」と、ローレンスさんの背中の真ん中をペチペチ叩いて私に説明し始めるじいちゃん。「いいからマッサージしてー!」って思ったけどツッコめず、

私「そうなんですか」

 

 そんな中さらに、「私ね、歌うたっとるんや。明日コンサート」「カラオケ行く?カラオケに私の曲入っとるんや」と言い出すじいちゃん。唐突すぎたので一応詳しく聞き返すと、どうも趣味で演歌をやってて、最近新曲を出したから地元で発売記念コンサート的なことをやるとのこと。

 

ローレンス「そうなの?どういうジャンル?」

私「ジャパニーズフォークソングみたいなものです」

ローレンス「それって日本で人気あるの?」

私「うーん、フォークソングなので、今はあんまり・・・」

ローレンス「そっか。南アフリカにもそういうジャンルはあるけど、そんな感じだよ」

っていう私とローレンスさんのやりとり。

そんなこんなで、じいちゃんが「だから私、結構忙しいんや」と言ってきたので訳した直後、

「・・・あっ、もちろん彼はプロとしてお呼びしてるので、マッサージが趣味の人ではないのでご安心ください!」って言ったらローレンスさん爆笑してくれた(いい人)

 

 30分ぐらいの施術中、背中に乗って足で踏んだり、タオルを使って体を伸ばしたりいろいろやる。最後、ローレンスさんを正座させてじいちゃんが後ろから引っ張って体を伸ばすときは、ゴリラがニホンザルの子供におもいっきりのしかかってるような感じだったので、じいちゃんが押しつぶされそうで若干ヒヤヒヤした。あまりに体格差があって全体的に本当に効いているのか不安ではあったけど、とりあえず無事に施術終了

 終始しゃべり倒してたじいちゃんの話を2点にまとめると、「癌になったけど、もずく食べたら治った」「施術後の今日は少し体に違和感があるかもしれないが、明日になればなくなってすっきりするはず」かなと思ったので、そこをローレンスさんに伝えると、「僕も実は数年前に悪性リンパ腫になったんだ。でも治ったんだよ!」とまさかの返答。じいちゃんに伝えると「ほー、そうなんか」。

 

 謎の扇風機を洗濯カゴに入れ、帰ろうとするじいちゃんが私に「これ私のCD。1枚あげるわ」と、どこに隠し持っていたのかCDをいきなりプレゼントしてくれたローレンスさんがじいちゃんと記念写真を撮りたいと言ったので、そのCDを持たせて写真を撮ってあげた。

f:id:mumapansy:20211003222840j:plain

ほんわかツーショット

 お昼休憩のときにKさんにいろいろ報告すると、爆笑されつつ、「あの人の整体院行ったら、待合室で本人の曲爆音でかかってるから」とのこと。

f:id:mumapansy:20211003223131j:plain

じいちゃん(栃原さん)のセカンドシングル。曰く、すごい人に作曲してもらえたらしい。

 大勢の弟子を従えるすごいマッサージ師なのに歌も出しちゃうっていう、仕事も趣味も両方振り切ってるこのパワフルさ。なんやかんやでめちゃくちゃかっこいいじいちゃんやん・・・。そんなすごい人が五箇山にいるのを知ることができたのも、オリンピックのおかげでした。笑

東京オリンピック事前合宿レポ④【爽やか南アフリカ編】

 3チームの中で断トツに感じの良かった南アフリカチーム。選手6人に、監督らサポートがたった3人という少人数体制で来日し、畳張りの、いかにも昔ながらの民宿に宿泊してた。

f:id:mumapansy:20210912134055j:plain

家族経営の小さな旅館にステイ。

 40代ぐらいのイケメンコーチに導かれ、きゃっきゃ言いながら練習してる姿がさわやか。選手の練習中は私たちスタッフは湖の前のロッジにいるんだけど、そこに南アフリカのユニフォーム着て常に待機してる女性がいたので話しかけたら、彼女の名前はダニエールさんで、チームドクターだとのこと。南アフリカの選手の名前の発音を教えてもらっていたら、そのうちの一人について、「彼は私の息子なの」と言ってきてびっくり。ダニエールさんの長男はロンドンで金メダルを獲っていて、今回来ているのは三男のローレンスさんだそう。ダニエールさんはすごく優しくて感じのいいママで、私が南アフリカについて聞いたら野生のキリンの写真や、家族でラグビーを見ている写真を見せてくれた。練習中の待ち時間は結構暇なので、ダニエールさんとは話す時間がちょいちょいあった。「東京オリンピックはやるかどうか微妙だったから、いろいろ至らないところがあってすみません」って言ったら、「いつもは3000メートル級の山とかで練習してるから、ここは何でもあってすごくいいわよ、ありがとう」と言われて逆に驚いた(笑)

f:id:mumapansy:20210912134747j:plain

f:id:mumapansy:20210912134805j:plain 南アフリカの皆さんは基本そんな感じで、細かいことを全然気にしてなかったので、日本のコンセント(2つ穴)に自分らが持ってきたプラグ(3つ穴用)が刺せないことに気付いて、プラグの3つの棒のうち1本を謎の馬鹿力で切り落として2本にし、2つ穴コンセントに無理矢理刺そうとしてたので、市役所の人にプラグごと没収されてた(笑)

 一番困ったのがコーヒーだそうで、ネスカフェのコーヒーメーカーを持ってきたのに、電圧が違うから使えない。コーヒー飲みたい。ジョージ・クルーニーのやつ」ということで、私と市役所職員で、Amazonのページをダニエールさんに見せながらコーヒーメーカーとコーヒーポーションを選んであげた。監督も含めすぐ「コーヒー飲みたい」って言ってたから、後日無事届いて、喜んでいたらしい。

 基本こんな感じなのに、他のチームと違ってちゃんと時間守って行動してくれるので、いつの間にか私も市役所の人たちも南アフリカのファンになってた(笑)南アフリカからおやつの買い出しを頼まれた職員に、「買い物メモ」とレシートを見せてもらったけど、そのリクエストがアスリート感ゼロで、ことごとくジャンクフードだったので面白かった。

f:id:mumapansy:20210912134405j:plain

バター、ココア、コーラ、キットカット、クッキー、プリングルス・・・

 一応、合宿中になるべく脂肪を摂って、東京入りしてから一気に絞るスケジュールらしい。笑

東京オリンピック事前合宿レポ③【ロシアお土産編】

 2週目の土曜日に、ロシアの監督(一番ずんぐりしてていつも青い服なのでドラえもん感あり)の腰痛が酷くなったらしく、チームドクター(おじいちゃん)から「注射針がほしい」という依頼があった。注射針は売ってたとしても医師以外は使えない&塗り薬などなら買えるから要るならどんなのか教えてほしい、という旨を伝えようとしたけど、監督もドクターも全く英語が話せなかったので、ポケット翻訳機を使って意思疎通することに。結局「別に薬を買うほどでもないから、まあほっとけば何とかなる」的な返答だった。ドクターにも監督にも、一応こちらができる限り対応していることは伝わったみたいで、最後にドクターが紅茶を淹れてくれた。

 その後イワンから、「月曜が誕生日の選手がいるから、何か日本っぽいプレゼントを買ってきてほしい」「ちなみに僕の個人用のお土産も買ってきてほしい。絵皿を集めてるから絵皿か、なかったらマグネットがいいな」とリクエストされる。五輪選手団は隔離期間免除の代わりに宿から絶対出てはいけないというルールがあるので、私が市役所職員と一緒に買いに行くことに。連絡のためにイワンとFacebookの友達になり、そこで写真を送ってやりとりすることにした。

 翌日、五箇山のお土産屋さんを回る。提灯とか木のおもちゃとか、貰っても困るようなお土産が多くて困ったけど、何枚か写真を送ったところ、木製の急須にゴーサインが出たので無事購入。イワンの個人的お土産には合掌造りのマグネットを買ってあげた。

f:id:mumapansy:20210908204013j:plain

f:id:mumapansy:20210908204059j:plain

f:id:mumapansy:20210908204208j:plain

f:id:mumapansy:20210908204223j:plain

springとwinterどっちがいい?って聞いたらspringだった

 ちなみに誕生会用のケーキは宿の人がわざわざ遠くのコストコまで買いに行ったらしい。どんな様子だったか知らないしイワンやロシア選手からも当然何の報告もなかったけど、喜んでくれてたらいいなという感じ(笑)

 こんな感じで、ロシア団からは他にもいろいろリクエストがあったけど、基本的にリアクションが薄いので「あれでよかったのかな」的な疑問が常にうっすら残る感じではあった。でもロシアチームはなんやかんやで銀メダル2個獲得したので、ちゃんと結果出てよかった!

f:id:mumapansy:20210908204317j:plain

畳外してトレーニングマシン置いてた

f:id:mumapansy:20210908204346j:plain

七夕があったので、選手もちょっと書いてくれた模様。

f:id:mumapansy:20210908204427j:plain

謎の日本語発見。

f:id:mumapansy:20210908204556j:plain

東京オリンピック事前合宿レポ②【ロシア練習初日編】

 宿への事前情報ほぼなかったこともあり、初日の朝食はこんな感じで、ちょっと少なめ。

f:id:mumapansy:20210906212002j:plain

パンが激ウマ。

 宿の料理長は、量やメニューがこれでいいかすごく気にしていて、私を介してチームマネージャーのイワンさんに確認することに。その場にいた監督は「こんな感じでいいよ、ハラショーだよ」って言ってくれたけど、イワン曰く「量はとにかくたくさんがいい」「ご飯もいいけど、蕎麦がゆを食べたい」とのこと。なんで蕎麦がゆ?って思って調べたら、確かにロシアでは蕎麦のおかゆがごく一般的らしかった。さすがに蕎麦がゆは無理だったけど、料理長をはじめスタッフの方々がその後かなり工夫して、ロシアチームの食事はいつもおいしそうでした。

f:id:mumapansy:20210906213707j:plain

朝食・夕食会場(片付け後なので殺風景ですが)

 深夜に到着したので初日の練習は午後からかなと思ってた(練習スケジュールは市役所の人もはっきり聞いてないらしい)けど、朝から練習したいとのことだったので、朝になってバスの手配をする。出発時間の伝達がうまくできなかったり寝坊してくる人がいたりでいろいろあったけど、なんとかバス出発。ちなみにロシア団の宿からボート場まではバスで30分なので結構遠い。バスには全員乗り切らなかったので、市役所の人が運転する車の助手席に私、後部座席にイワンと監督が乗って向かうことに(笑)

 湖に着いたら市役所の人から施設の使い方の説明があったのでその通訳をしたけど、ロシア選手は英語できる人があまりいなかった(市役所職員曰く「話が違う!」)ので、結局イワンが全部ロシア語に訳すという展開になり、最終的に「早く艇庫行かせて」と言われる

 初日はボートを搬出したり周辺機材のチェックがメインなようで、選手たちは若干暇そうにしていた。そんな中イワンが急に「がとりん、がとりん!」と言ってきたので、意味が分からずスペルを教えてもらったら「ガソリン」のことだった。何をしてほしいのかよく分からなかったので一緒に艇庫に行くと、ガソリンタンクが3つ置いてあった。「ガソリンをタンクに入れてほしい」とのことだったので、職員に伝えた。

f:id:mumapansy:20210906214023j:plain

初日はまあまあいい天気。

 そのうち職員がガソリンをタンクに入れたので、終わったよと言おうとしたら、イワンが「固まらん!固まらん!」とまた何か言ってくる。まじで意味が分からなかったのでもたもたしていたら、練習のお世話をしているボート協会の人が「カタマランタンク」のことだと教えてくれた。監督が乗るモーターボートのことを「カタマラン」というらしく、どうやら「カタマランタンクにガソリンを入れてほしい」とのこと。さっき入れたタンクは何だったんだとちょっと思ったけど、「カタマランタンクにガソリンを入れてほしい。3分以内に!」とのことだった。そもそもモーターボートに入れるカタマランタンクが足りておらず右に舵を切ると左に進んじゃう魔仕様ボートも1台あったりして、私でさえいろいろツッコミたくなる。

f:id:mumapansy:20210906214157j:plain

こちらがカタマランボート。波が立ちにくいのでボートの練習にはコレらしい。

 10分ぐらいして(3分とかいうのは普通に無視)、職員がとりあえず正常に動くモーターボートにタンクを入れたみたいで、一件落着かなと思っていたら、またイワンが何か叫んでいる。行って話を聞くと、「あそこでボートが止まった」とのこと。水辺に何台かボートは留めてあるけど、何が問題なのか分からないでいると、「そこじゃない、あそこ!誰かあそこまで行ける人はいるか?」・・・なんと、出発したモーターボートが湖の上で壊れて停止してしまい、湖上で動けなくなってた(笑)

 故障したボート上でボーっとしてるロシア人。「行けない!」と元気に答えるボート協会のお姉さん。結局イワンが空いてるボートを使って救出に行っていた。戻ってきた壊れた方のボートを確認すると、「エンジンが突然外れて水に落ちた」とのこと。実際エンジンとボートの接続が悪くて、なんか変な板で補強してあったので、起こるべきして起こった事故感はあった(笑)

f:id:mumapansy:20210906214433j:plain

オール綺麗だなーと思ったら、ロシアは最終日に薬品で国旗のペンキ全部消してた(ROCなので)。自分らで国旗消すって、どういう気持ちなんだろうか。

 まともに寝もせずに現地に来てみたらいろいろトラブルがあって、機嫌悪くなられても仕方ないかもと思っていたけど別に怒られることもなく、ロシア軍団はこんな感じで初日終了。

東京オリンピック事前合宿通訳レポ①【ロシア到着編】

 7月2日~17日にかけて、東京オリンピックの事前合宿のため、ロシア、ギリシャ南アフリカのボート選手団富山県南砺市五箇山にやって来ました。その通訳ボランティアの募集が6月頭に突然来たので応募してみたら、見事メンバーに選ばれたので、人生初の通訳やってきました。

 業務としては南砺市役所の方々と各チームのコーチやマネージャーさんたちの円滑なやりとりのお手伝い。会社員の私は期間中の土日だけ稼働したんだけど、たった5日間だったのにいろいろなことがあって面白かったので、国別にエピソードなどを書いてみようと思う。

 

 まずはロシアから。

f:id:mumapansy:20210906211714j:plain

ロシア選手団は「五箇山荘」に宿泊。五箇山では結構有名な宿舎。

 AM2時というド深夜にド田舎の五箇山に選手団到着ということで、お化けが出そうな真っ暗闇の、深い霧の山中をビビりながらドライブして宿舎へ。集合時間のAM1時に無事到着すると、宿のスタッフが二人だけいて、「ほぼ何も聞いてないんですよー」「お客さんの予約入ってたんですけど、ギリギリになって合宿地に決まったんでキャンセルしてもらったり、大変でした」とのこと。1時に宿集合&ロシアが2時に来る&その日はとりあえず泊めてもらえるってこと以外は私も何も聞かされてなかったので、ここで改めてTOKYO2020の洗礼を受ける。

 少しすると、市役所の職員が一人、コンビニで買い漁ったという夜食を持って到着。山なので店自体がなく、かなり遠くのコンビニを回ってかき集めたらしい。ロビーに並べてみたけど、“Lemon Tea”ぐらいしか英語がなく、白い袋に入った謎のもの(※チキン)も大量にあったので、私の提案でメモ用紙に中身を英語表記しておく。

f:id:mumapansy:20210906211831j:plain

無事持ってってもらえたようで、寝るころにはいつの間にか無くなってた。

 何か聞かれたときに備えて宿の人に館内を案内してもらう。洗濯機は自由に使えるようになってたんだけど、洗濯機のボタンは当然全て日本語。一応壁には「洗濯機の使い方 ①電源を入れる ②洗剤を入れる ②スタートボタンを押す」っていう当たり前すぎるお知らせを英語とロシア語で書いた貼り紙が。宿の人に「スタートボタンがどれか分かるようにシールを貼ってください」と提案(指示)してみた。

f:id:mumapansy:20210906211922j:plain

無事持ってってもらえたようで、いつの間にか無くなってた。

 そうこうしてたらロシア団が到着体もスーツケースもとにかくでかい。到着したらいったん集合してもらってルームキーの使い方などを説明するよう言われていたので説明しようと思ったけど、みんな部屋に入りたがって全然聞く気がないので、あまりちゃんと説明できず終わる。青少年の家みたいな宿なので、部屋にはシャワーすら付いていないのはさすがに私も大丈夫かなと思ってはいたんだけど、風呂は大浴場のみになると説明したらやっぱり「え?」みたいな反応。「風呂を見たい」と女子選手が言ってきたので案内したら、やっぱりちょっと嫌がっていた。AM3時過ぎにやっと一息ついたので部屋で一休み。

f:id:mumapansy:20210906212349j:plain

私が泊まらせていただいた空き部屋。多分選手の部屋も同じ感じ。

 ほとんど寝ることなく7時に朝食会場に行くと、さすがにまだ誰もいなかったので朝食を食べさせていただいた。そしたら市役所の人が来て、「選手に朝食前にPCR検査を受けるよう伝えていただきたいです」と言われたので(聞いてない!)、朝食はあまり食べずそっちのお手伝いに向かう。市役所の人もPCRキットを持ってきたもののやり方を把握していなかったようで、私も当然初めてなのでもたもたしていたところ、選手が一人二人起きてきた。唾液採取タイプのPCRは選手もやったことがないらしく、「?」な表情。全員よく分かってないので、とりあえず選手と一緒にやってみる感じに。

 唾液が試験管に入ったら自分の名前が書いてあるシールを貼るんだけど、そのシール用紙が完全に日本語で、名前はカタカナ&生年月日も和暦なので、本人たちに自分で貼ってもらおうにも無理な状態。いちいち名前を聞いてシールを探すのは効率悪すぎたので、私が急いで用紙の空きスペースに大きく名前を英語表記したら、さすがにちょっとスムーズになった。

f:id:mumapansy:20210906212050j:plain

こういうタイプのPCR。朝イチで水も飲まずに唾液を出すっていう、ちょっとした苦行。

 とりあえず初回のPCRはグダったけど、まあ慣れれば大丈夫かなという感じでした。

マタドガスで知る漱石とモネが見た空

Weezing
(日本語名:マタドガス

f:id:mumapansy:20210619114736j:plain

「マァ~タドガァ~ス」って鳴き声がなんか好き。

発音                   :ウィーズィン

元の英単語        :wheeze+we

wheeze(ウィーズ)

【名】ゼーゼー

【動】ゼーゼー息を切らす

 「ぴかぴか」「ぱらぱら」「ブーブー」みたいな擬態語・擬音語は日本語特有のものなので、英語でそういうニュアンスを出したいなら、学校で習ったのとはちょっと違う単語を使わないといけない。

 だから、学校で習う普通の「【動】息をする」はbreathe[ブリーズ]だけど、普通とは違う息の仕方の一つがこのwheeze。「ゼーゼーと」だから、かなり苦しそうなイメージが出せるドガースは咳だったけど、進化していよいよヤバくなった感じかな。

 こういうのはどうせジェスチャーで伝わるから覚えるモチベーションが湧かない、って思うかもしれないけど、知ってたら確実に英会話レベルがツーランクぐらい上がると思う。ちなみに、息に関する動詞は他にもこんなのがある。

pant[パント]           【動】(ハアハアと)息をする、息を切らす

※走った後とかの。犬がハアハアいうのもこれ。

gasp[ギャスプ]       【動】(はっとして)息をのむ

※びっくりしたときに。

choke[チョウク]        【動】息が詰まる、窒息する

セーラームーンが着けてる「チョーカー」は、首に巻くおしゃれアイテム。

 

we(ウィー) 【代】私たち

 日本語だとドガース別れしてまた増えたからまたドガ。英語の場合は、コンコン咳してcoughingだったのがゼーゼー言いだしてwheezingなんだけど、しんどそうな症状の表現はいろいろある中でwheezeが選ばれたのは、やっぱweの音があるからでしょ!

 中1の1学期で習うこの単語が名前から聞こえてくることで、単数だったドガースが複数になったことが、世界中の誰もがイメージできるんだと思う。字面でもはっきりさせるために、wheezeのスペルからhが抜いてある

f:id:mumapansy:20210619120009j:plain

もともと顔の雰囲気がチャーチル第二次世界大戦時の英首相)に似てる気が。

 それにしても、ガラルマタドガスには驚いたよね…。シルクハットっていう、「英国紳士」のステレオタイプが分かりやすく表現されてて面白い。そして二人の長い帽子のてっぺんからはもくもくと煙があがってて、煙突が立ち並んだかつてのロンドンやマンチェスターの街並みを彷彿とさせる。

f:id:mumapansy:20210619115011j:plain

マンチェスターの1870年の風景。私は2013年にマンチェスターに留学したけど、このイメージで行ったら煙突一つ無くてなんかがっかりでした。(日本に来た外国人が「サムライいないじゃん!」的なやつ)

 イギリスといえば産業革命発祥の地で、それに伴っていろいろな問題は起こったけど、霧の都・ロンドン」「ロンドンスモッグ」っていう言葉もあるとおり、大気汚染が一番有名。もともと霧が発生しやすい土地柄で大量の排ガスを出したもんだから、とにかく酷かったらしい。実は当時、日本からも一人の文豪が現地を訪れている。それは1900年から2年ほどロンドンに留学していた夏目漱石で、彼は現地での体験を以下のように綴っている。

 表へ出ると二間ばかり先は見える。その二間を行き尽くすとまた二間ばかり先が見えて来る。世の中が二間四方に縮まったかと思うと、歩けば歩くほど新しい二間四方が露(あら)われる。その代り今通って来た過去の世界は通るに任せて消えて行く。

(※二間=約4メートル)

 

 ウェストミンスター橋を通るとき、白いものが一二度眼を掠(かす)めて翻がえった。眸(ひとみ)を凝こらして、その行方を見つめていると、封じ込められた大気の裡(うち)に、鴎(かもめ)が夢のように微かに飛んでいた。その時頭の上でビッグベンが厳に十時を打ち出した。仰ぐと空の中でただ音(おん)だけがする。

 

 泥炭(ピート)を溶いて濃く、身の周囲に流したように、黒い色に染められた重たい霧が、目と口と鼻とに逼(せま)って来た。外套は抑えられたかと思うほど湿っている。軽い葛湯を呼吸するばかりに気息(いき)が詰まる。足元は無論穴蔵の底を踏むと同然である。自分はこの重苦しい茶褐色の中に、しばらく茫然と佇立(たたず)んだ。

 

夏目漱石「永日小品」(1909年)より 

 「超空気汚いんですけど」をここまでの表現にもってこれるなんて、マジさすがの鬼文才(語彙力)。これは「永日小品」(えいじつしょうひん)というエッセイの中の「霧」という章の一部で、A4 1ページぐらいの短い回顧文なんだけど、全体的に名文すぎて感動したので、こんなにたっぷり引用しちゃいました。

f:id:mumapansy:20210619141431j:plain

ロンドンで実際に漱石が下宿していたアパート跡兼記念館(2014年筆者撮影)。丸い青のプレートは、有名人にゆかりのある場所を示す「blue plaque」というもので、イギリス全土で発見できて楽しい

 産業革命は18世紀後半から19世紀初頭にかけて起こったから、睡蓮の絵を狂ったように描いてて有名なクロード・モネ(1840-1926)は、まさにこの時代に生きた印象画家。フランス人の彼も1899年から1905年(漱石とだだ被り!)にかけてロンドンを訪れてて、いつもの綺麗な風景画とは違った雰囲気の絵を残している。漱石曰く、ロンドンの空は「朝から鼠色であるが、しだいしだいに鳶色(とびいろ)に変じて」とのことなので、この色、意外と誇張じゃなさそう

f:id:mumapansy:20210619122037j:plain

Waterloo Bridge, London (1990), Hugh Lane Municipal Gallery, Dublin

f:id:mumapansy:20210619115105j:plain

Houses of Parliament, London (ca. 1904), Kunsthaus Zürich

 ロンドンのこのありさまは産業革命以降ずっと続いてて、一番酷かった1952年には、空気が汚すぎて運転ができず、劇場にいても舞台が見えないレベルで、少なくとも1万人以上が呼吸器疾患等で亡くなったとのこと。だから、数ある毒タイプポケモンの中でも呼吸に関わる言葉が名前になっているマタドガスが、こういうイギリスの負の歴史を背負って、ガラルで新しいすがたを見せたんだと思う。(52年の大惨事をきっかけにいろいろな法律などが作られたので、今のロンドンは問題ありません

f:id:mumapansy:20210619131854j:plain

1952年のロンドン。正直コロナよりヤバそう

 あと、ガラルのマタドガスがなぜか緑色でなぜかフェアリータイプになったのは、「レプラコーン」っていうアイルランドの妖精がモチーフになってるんじゃないか疑惑がある。レプラコーンは緑色の服を着た小人のおじさんで、帽子もかぶってるから、確かに若干ガラルマタドガスとリンクしてなくもないかも…。

 

f:id:mumapansy:20210619122516j:plain

アイルランドといえば緑色

 ちなみにゼルダの伝説っていう私の大好きなゲームに、チンクルっていう強烈キャラが出てくるんだけど、知ってる人いるかな?緑の前身タイツ着て「僕のところにはまだ妖精が来ないんだ」って言って親を困らせている35歳のおじさん・チンクル。今思うとこいつ、レプラコーンがうっすらモチーフになってるんだと思う…多分。

f:id:mumapansy:20210619122554j:plain

チンクルチンクル・クルリンパ!

続きを読む

底辺高校生がめっちゃ書きそうなドガース

Koffing(日本語名:ドガース

f:id:mumapansy:20210612225054j:plain

毒タイプでしかない、もう分かりやすすぎるビジュアル。

発音                   :コフィン

元の英単語        :coughing+coffin

 

cough(コフ)

【名】咳【動】咳をする

 ものすごく日常的な言葉だけど、教科書にあまり登場しないし覚えづらいから、知名度低めのこの単語。語尾の-ughは、発音的にはfの音になってしまう変な部分で、laugh[ラフ](【動】笑う)とかtough[タフ](【形】丈夫な)が有名どころ。

 発音とスペルが合ってない単語が多いのが英語の特徴で、そういう単語=よく使う単語だから中学校で出てきちゃうので、中1のスタート時点で英語嫌いになっちゃう人が多い。漢字にひたすら時間かけることすら疑問視されてるくらいなんだから、日本の学校における英語スペル至上主義はなんとかならんのかなとは思う。間違い探しは一番採点しやすいから仕方ないんだろうけど。でもとりあえずこのKoffingは、coughingを音だけのうろ覚えで書こうとした人が書きそうな、ベタな間違いって感じ。

 「咳をする」とか「くしゃみをする」とかって普通に生活に関わるから大事な単語だと思うんだけど、日常すぎて逆に全然教科書に全然出てこないんだよね。高校の教科書で「星の王子さま」があったけど、咳のシーンはカットされてたし。

 なので、coughの他に、日常の生理現象に関わる、意外と知名度低い動詞をちょっと書いてみる。

sneeze[スニーズ]     【動】くしゃみをする

yawn[ヤウン]           【動】あくびをする

hiccup[ヒカップ]      【動】しゃっくりをする

burp[バープ]        【動】げっぷをする

snore[スノア]           【動】いびきをかく

 しゃっくりに関しては音がリアルで覚えやすい…!そもそも日本語だと「しゃっくり」+「を」+「する」の3単語を使って組み立てないといけないけど、英語は1つの動詞で成立するからすごい楽。何でも1単語で言えちゃうから、

slurp[スラープ]  【動】(麺やスープを)ズーズー音をたてて食べる

っていうかなり具体的な状態をいう単語もあって、初めてこの単語を知ったときはちょっとびっくりした記憶あるなー。

 

coffin(コフィン)

【名】棺(ひつぎ)

 Coughingのスペルを簡単にしただけの名前なんて単純すぎるだろ…ていうか何でing形?って思ったのでちょっと考えたら、この単語があったんだった!お腹にドクロマーク入れてるだけあって、死を連想させるこの言葉を使うのは納得。ポケモン名には珍しく-ing形を使ったのは、普通にcoughだとcoffinの音につながらないからなんだねー。

 目にする機会は少ないほうが幸せな言葉なので、覚える機会はあまりないかもしれないけど、推理小説とかでは多分よく出てくるから知っておくべき単語。どっかに書いてあったけど、外国語の多読をしたいなら推理小説がおすすめらしい。(結末が気になるからどんどん進められて挫折しにくいという意味で)。

 

〈参考サイト〉

bulbapedia.bulbagarden.net

スコティッシュギャロップはフェアリータイプ

Rapidash
(日本語名:ギャロップ

f:id:mumapansy:20210529163547j:plain

かっこいいんだけど、初代だとポニータが結構後半に登場するからパーティーに入れづらい子。

発音                   :ラピダシュ

元の英単語        :rapid+dash+ash

 

rapid(ラピッド) 

【形】速い、急な

 「速い」に当たる英単語は、ファストフードのfast((スピードが)速い)を中1ぐらいでまず習うと思う。確かその前にearly((時間が)早い)を習ってるし、後でquick((動きが)速い)も出てくるから、このrapidは、高校生なら読む上では絶対知っとかないといけないけど、あんまり重視されてない単語かも。上に挙げた単語の中ではquickに近い意味で、人や物事の動きが速いことを表す言葉。

 「はやい」は、日本語では「(スピードが)速い」「(時間が)早い」(どっちも逆は「遅い」)の2つしかないけど、英語だとさっきみたいにいろいろ単語があるし、「遅い」もスピードについてと時間についてで違う単語を使うから、簡単だけど使い分けが大事なところ。

 このrapidって単語、実は都会の駅では必ず目にする単語。快速電車のことをrapid trainっていうから、時刻表とか電光掲示板をよく見たら出てるはず。各駅停車の電車はlocal train。

 

dash(ダシュ)

【名】ダッシュ、突進

【動】たたきつける、突進する

 「ダッシュする」って日本語ではよく言うから、英語のdashにももちろんその意味がある。だからこれをrapidに加えることで、ギャロップのスピード感をさらに強調してる感じになるよね。Dashっていう単語自体には、何かにぶつかったり、投げつけたり浴びせたりする意味もあるから、日本語の「ダッシュ」とは微妙に違うっぽい。

 ていうか、ギャロップって何?って思うと思うけど、英語のgallopは【動】全速力で走る【名】ギャロップで、意味がもう「ギャロップ」でした。ギャロップ」っていうのは馬の走り方の名前で、要するに全速力の走り方のことらしい。日本語名はこれがそのまま使われてるけど、わりとかっこいい名前だよね。

 

ash(アシュ)【名】灰

 Rapid+dashで終わりかと思いきや、もうひとひねりあるところがポケモン英語名のさすがなところ。Dashの説明で書いたとおり、dashには「ぶつかる」的な意味もあるし、速く走る意味の英単語なら他にもいろいろあるんだよね。それでもあえてdashを採用したのは、語尾がash(灰)になってるからに違いない。このおかげで、名前だけで炎タイプって暗示できちゃってる!

 でもガラル地方ではポニータエスパータイプだし、ギャロップエスパーとフェアリータイプになっちゃって、せっかく上手な名前付けたのに意味なくなっちゃってて残念。じゃあなんでわざわざエスパー×フェアリーになったかというと、ある伝説上の生き物をモチーフにしてるからなんです…。

 

f:id:mumapansy:20210529160731j:plain

美!!!

 ガラルはイギリスをイメージした地方なのは、剣盾発売前から言われてたよね。日本語だと街並みでしか伝わらないかもしれないけど、英語版は町の名前にもゴリゴリにイギリス感出してるから楽しい。イギリスは正式名称が「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国っていうかなり長い名前の国で、イングランドウェールズスコットランドアイルランドの4つの国(独立してないけど一応国)から成る島国なんだよね。昔は全然違う国だったけど、いろいろあって今は一つになってるもんだから、イギリス人は自己紹介するときにわざわざ“I’m Scottish.”(私はスコットランド人です。)と言ってたり、海外にいても“I’m from the U.K.”じゃなくて“I’m from England.”(イングランド出身です。)って言う人が多かったりする。だから日本の北海道とか沖縄の感覚とはちょっと違うみたい

 で、そのイギリスから独立したいって思ってる人がまあまあ多いスコットランドを象徴する動物こそ、角の生えた馬「ユニコーン。その見た目がまさにガラルのギャロップなんだよね。だからスコットランドでは盾のほうがかなり売れたんじゃないかな。ちなみにユニコーンって動物、実在しないのをいいことに、処女大好きで処女にすり寄ってくるけど処女じゃないって分かったときはブチ切れて殺しちゃうとかいうキモい性癖を持った動物とされてます。

 あと関係ないけど、アニメ版の主人公・サトシは、英語版だとサトシじゃなくて「Ash」って名前。子どもの頃アメリカに2週間ぐらいいて、たまたまテレビで英語版のポケモンをやってたから見てたんだけど、カスミが1回も「サトシー!」って言わなかったから違和感抱いた記憶がそういえばある。さすがにアメリカ人的にはサトシは発音しづらいみたい。でもなんで「灰」になったのかは謎。

 

〈参考サイト〉

bulbapedia.bulbagarden.net

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

ジャニーズのペットっぽいポニータちゃん

Ponyta(日本語名:ポニータ

f:id:mumapansy:20210529160723j:plain

ガラルポニータは「マイリトルポニー」にクリソツなのだが。

発音                   :ポゥニィタ

元の単語            : pony(英語)
        +bonita(スペイン語

 

pony(ポウニィ)【名】ポニー

 「ポニーテール」っていう馬のしっぽみたいな髪型がある。この「ポニー」とは小さい馬のこと。馬は英語でhorse[ホース]だけど、horseの中にponyがいるんじゃなくて、horseとponyは一応違う動物らしい。馬っていうとすごく大きい動物をイメージするけど、ロバぐらいの小さい種類の馬もいて、そういう種類の馬がポニー。だから「ポニー=子どもの馬」っていうのは実は間違い。Horseは大人しいから人間の仕事をしてくれるけど、ponyはわりとずる賢くて、horseよりも体は丈夫なものの人間の仕事を手伝うとかは無理みたい。

 普段は誰も気にしてないけど、実は狭い意味では、horseってオスの馬のことらしい。じゃあメスの馬とか赤ちゃんの馬は何て言うのかなと思って調べたら、かなりたくさん出てきた・・・。

 mare[メア](メスの馬)、stallion[スタリオン](オスの馬、種馬)、folt[フォウル](仔馬)、colt[コウル](オスの仔馬)、filly[フィリィ](メスの仔馬)…などなど、そんなたくさん単語作る必要あんのかよって思うよね(笑)。学生の皆さんは覚える必要全くないのでご安心を。日本語でこれらに当たる言葉があるのか知らないけど、少なくとも英語にここまでたくさんあるのは、それだけ馬が英語圏の人たちの生活にとって欠かせないものだったからなんだろうなと思う。まあ、日本人の場合はzebra[ズィブラ]のことすら「シマウマ」って言っちゃう適当さだから、そもそもネーミングにあんまり興味ないのかも。

 

bonita(ボニータ)

【形】可愛い、いい

 日本語名も英語名も「ポニータなのは意外。「~ta」で終わる単語ってあんまり英語っぽくなくて、WordFindっていうサイトで検索したら「~te」で終わる英単語が4145語なのに対して、「~ta」は470語しかなかった。「マルガリータ」(イタリア語)とか「カルタ」(実はポルトガル語)とかあるように、「~ta」で終わる単語は基本ラテン語系。で、ポニータの「タ」って何?って感じなんだけど、どうやらスペイン語のbonitaから来てるみたい。普通にprettyとかniceの意味で使われるけど、「美しい人」みたいな意味で男性が女性に呼びかけるときにも使われる

 確かにポニータはシンプルに可愛いし、ガラルだと女の子感がだいぶ強調されてるもんね。

ファッション系のお店とかの名前に使われがちな単語だし、Jpop聴いてても歌詞に出てきたこともあるので、意味は知らなくても聞いたことある単語なんじゃないかなと思う。

 そもそもずっと思ってたんだけど、日本語の不便なところに、人に呼びかけるときの言葉がないってのがあると思う。特に、相手の名前を知らないと「すみません…」って話しかけるしかなくて、話しかけてるのに謝るような感じだし、全然温かみないじゃん、って思う。だからイギリスで電車に乗ってたとき、フレンドリーな感じの若い車掌さんが切符のチェックに来て、“Honey[ハニィ],”って話しかけられたのにびっくりした記憶あるな。

 英語の場合はhoneyとかdarling[ダーリン]みたいな親しい人に使うものや、sir[サー]madame[マダム]みたいに丁寧な場面で使う呼びかけ言葉がある(“Excuse me.”でももちろんいいけど、相手が男性だったら “Excuse me, sir.”って言うと相手が絞られるし丁寧な感じ)。とりあえずこんな感じで、名前の代わりに呼びかけに使う言葉はbonitaとか以外にもいろんな言語にあって、それぞれ意味は違うけど、フランス語のmonsieur[ムッシュー]とかイタリア語のamore[アモーレ]とかが有名かな。

 ちなみに、キムタクが昔飼ってたラブラドールと、中島健人が今飼ってるトイプーもボニータって名前らしい。イケイケの人はラテン系の言葉使いがち。

 

〈参考サイト〉

bulbapedia.bulbagarden.net

www.thesprucepets.com

マイリトルポニーとは|セガトイズ

Search result for the word/pattern *ta | WordFind

フーディンと世界の超能力者たち

Alakazam
(日本語名:フーディン

f:id:mumapansy:20200911082126j:plain

知能指数は5000」というパワーワード

発音               : アラカザム

元の英単語    : Alakazam

 

 Alakazam(アラカザム)
【間投】アラカザム

 ケーシィ&ユンゲラーの記事読んだら、「え、フーディンは?」ってなると思う。「アブラカダブラ」はケーシィとユンゲラーで既に使い終わっちゃったので、フーディンの場合は別の、「アラカザム」って呪文がそのまま名前になってます。

 でも少なくとも私は、‘Alakazam!’って言ってる場面は見聞きしたことない気がする…。ネット辞書には載ってたけどちゃんとした辞書で調べたらやっぱり載ってなかったから、「アブラカダブラ」と違ってあんまメジャーじゃないんだと思う。

 

 …で、ここにきて、日本語のケーシィ、ユンゲラーフーディンって一体何なのよ、っていう疑問。

 実はこの3匹、超能力とか奇術に関わる実際の人物の名前からきてるんです。

 

 まずケーシィは、アメリカの超能力者「エドガー・ケイシーから。催眠術で、依頼者の未来透視や病気の治療をしたらしい。

ja.wikipedia.org

 

 ユンゲラーは、スプーン曲げで一躍有名になった「ユリ・ゲラーから。

ja.wikipedia.org

 日本のテレビに出演しまくって結構ブームになったらしいから、みんなのお父さん・お母さん世代なら絶対知ってるんじゃないかな。私は子供のころ「あの人は今」っていう番組で彼の存在を初めて知って、「この人ポケモンだ!」と思った記憶あるなー。 そんなユリ・ゲラー氏、「自分の名前を盗用された」ってことで任天堂相手に訴訟を起こしてます。笑

 

 そしてフーディンは、19世紀フランスのマジシャン「ロベール・ウーダンから。名前の綴りはRobert-Houdinで、フランス語だと「ロベール・ウーダン」だけど、英語読みすると「ロバート・フーディン」。彼は「近代奇術の父」と呼ばれていて、今のマジシャンの地位や職業観はこの人が確立したと言っていいほどすごい人らしい。

ja.wikipedia.org

 フーディンの由来っぽい人はもう一人いて、それは「ハリー・フーディーニ」っていうイリュージョニスト。本名ではなくて、名字のHoudiniは、尊敬するウーダンが由来。「脱出王」としてアメリカですごい有名らしくて、Wikipediaの英語版は情報量がすごかった。

ja.wikipedia.org

 

f:id:mumapansy:20200911082653j:plain

しかしメガ進化したフーディンは欧米感全然なくて、完全にインド風。片岡鶴太郎系。

〈参考サイト〉

bulbapedia.bulbagarden.net